賃貸建物をお持ちの祖父母から、お孫さんへ、賃貸建物を贈与したいとき、1度に贈与すると、贈与税の負担が大きいときがあります。
そのようなときは、賃貸建物の持ち分を、何年かに分けて贈与するという方法があります。

贈与税は現金で一括払い

財産評価額が1,000万円の賃貸アパートを、祖父からお孫さんへ贈与することを考えているとします。
今年1回で贈与すると、贈与税は177万円(お孫さんが20歳以上のとき)

贈与税は現金一括払いです。
お孫さんは、贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、贈与税177万円を現金で納付する必要があります。

2年に分けて、持分1/2ずつ贈与すると、1年に払う贈与税は48.5万円。
2年合計で、97万円。

4年かけて、持分1/4ずつ贈与すると、各年に支払う贈与税は14万円。
4年合計で、56万円になります。

贈与契約書を毎年つくり、確定日付をとる

数年に分けて持分を贈与していくときは、毎年、贈与契約書を作成しましょう。

建物を贈与すると、登記の手続きがあります。
数年に分けて、持分を贈与すると、贈与のたびに、所有権移転登記の手続きが必要になります。

そこで、以下のような方法をとることもできます。

  • 毎年贈与契約書を作成し、公証役場で確定日付をとる。
  • すべての持分の贈与が終わったとき、まとめて、建物の所有権移転登記をする。

確定申告が少し面倒になる

賃貸アパートの持分を、数年に分けて贈与していくと、確定申告が、少し面倒になります。
賃貸アパートの持分すべてが、贈与を受けた人に移るまで、賃貸アパートが共有状態になるからです。

そのため、賃貸アパートの収入と経費を、そのときの持分で按分して、贈与した人、贈与を受けた人が、それぞれ
確定申告をする必要があります。

贈与する日付は、1月1日か、12月31日がおすすめです。
贈与する日は、自由に決めることができます。贈与税の金額は、1年のなかでいつ贈与しても同じです。

年の途中で贈与すると、1年の中で、持分が変わるため、収入と経費の按分計算が面倒になります。
たとえば、8月1日に贈与すると、1月から7月の期間の収入と経費を按分し、8月から12月の期間の収入と経費を按分する、ということになります。