相続では土地に関わる用語がでてきます。相続税手続や相続税の申告のときに、よく出てくる用語をご紹介します。

路線価方式

相続税を計算するにあたり、土地の価額を路線価を用いて計算する方法。路線価とは国税庁が発表している土地の価額です。路線価は道路ごとにつけられています。路線価図にはその道路に面している土地の1平方メートルあたりの路線価が記載されています。
路線価図は国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で誰でも見ることができます。毎年7月にその年の路線価が発表されます。

倍率方式

相続税を計算するにあたり、路線価のつけられていない土地を評価する方法。固定資産税評価額に、一定の倍率を掛けて計算します。倍率は国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で見ることができます。

固定資産税評価額

固定資産税を計算するときの基準となる価格。市町村(東京23区は東京都)が決定しています。3年に一度、固定資産税評価額の評価替えが行われます。
固定資産税の納税通知書に添付されている「課税明細書」の「価格」という欄で確認することができます。
(課税標準額と間違えやすいので注意)
次の評価替えは令和6年度になります。

公示価格

公示価格とは、国土交通省が発表している土地の価格。標準地の毎年1月1日時点の価格を3月に公示しています。
路線価は公示価格の約8割、固定資産税評価額は公示価格の約7割といわれ、路線価、固定資産税評価額の基準になっています。

実勢価格

実際に土地を売買するとき、取引が成立する価格。

固定資産税課税明細書

土地や建物の評価額、税額、所有者、所在などが記載されている書類。
土地や建物を所有している人へ毎年5月〜6月頃、市町村(東京23区は都税事務所)から送付される固定資産税の納税通知書と同封されている場合が多いです。
土地や建物が共有になっているときは、全員に届くわけではなく、所有者1人の住所に届くことがほとんどです。
相続が発生したとき、土地や建物の所有状況や評価額を確認するのに使います。

地番(ちばん)

地番とは登記されている土地1筆ごとにつけられた番号です。筆とは土地を登記をするときの単位になります。
一方、住居表示は建物に対してつけられた番号です。普段の生活で使われる住所は、住居表示になります。
地番と住居表示は市街地では一致しない場合が多くなっています。固定資産税課税明細書に記載されている所在地は、地番になります。
相続では、土地を特定するために地番を使用します。

登記簿謄本(とうきぼとうほん)

登記されている土地や建物の所在地、面積、所有者、権利者などが記載されている書類。
法務局で入手することができます。「謄本」といったり「登記事項証明書」といったりします。
相続では土地の所有者、地目、地積などを確認するために使用します。

公図(こうず)

土地の地番、形状、範囲、道路や水路との位置関係を表した図面。
法務局で入手することができます。相続では土地の位置、隣接関係、接道などを確認するために使用します。

名寄帳(なよせちょう)

所有している不動産の一覧表。
固定資産税が非課税の私道や公衆用道路、共有になっている不動産も記載されるため、所有している不動産を確認することができます。不動産がある市町村(東京23区は都税事務所)ごとに入手することができます。
相続では所有不動産の全体を把握するために使用します。

10個のことばをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
普段の生活では馴染みがなかったりします。参考にしてみてください。

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