エンディングノートとは?

最近は「エンディングノート」を活用される方が増えています。
エンディングノートとは、自分の気持ちや希望を家族に伝えるためのノートで、書き方は自由です。

エンディングノートに書けること

たとえば、介護や医療についての希望、葬儀やお墓のこと、親しい方へのメッセージなどを残すことができます。
財産について触れることも可能ですが、財産の分け方を記載しても法的な効力はありません。
そのため、財産の分け方については必ず「遺言書」に書く必要があります。

財産に関する情報を残すときの注意点

ただし、財産に関することでも、エンディングノートに書いておくと役立つものがあります。
例えば、パソコンやスマホで管理しているネット銀行やネット証券、暗号資産などのログイン情報です。
これらは紙の通帳や証券会社の書類が残らないケースが多いため、相続人が存在を把握できないままになってしまう恐れがあります。エンディングノートに記載があれば、相続人の方が財産を探す大きな手掛かりになります。

特に海外のネット銀行や暗号資産の場合は、照会が難しく、ログイン情報がなければ財産の有無すら確認できないこともあります。ですから、保管方法には十分注意しつつ、必要な情報を残しておくことが大切です。

遺言書との違い

一方で「遺言書」は法的な効力を持つ文書です。
「財産を誰に、どのように渡すか」を正式に示すことができ、銀行や法務局などで相続手続きを行う際に必要となります。
遺言書の中にも「葬儀はこうしてほしい」「お墓はこうしたい」といった希望やご家族へのメッセージを書くことは可能ですが、これらの部分は法律上の効力を持つわけではなく、あくまで気持ちを伝えるものになります。

エンディングノート遺言書
効力法的効力なし法的効力あり
内容医療、介護、葬儀、気持ち財産の分け方
書き方自由決められた形式に従って作成が必要

両方を使い分ける

エンディングノートと遺言書はそれぞれ役割が異なります。どちらも大切な家族のために、自分の希望を形にする大事な手段です。

できれば、両方を準備しておくのが理想です。とはいえ、「遺言書は少しハードルが高い」と感じる方も少なくありません。そんなときは、まずエンディングノートから始めてみるのも良い方法だと思います。
エンディングノートを一歩目に、準備を進めてみてください。

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